『北史』は439~589年の中国のことを記述している史料で、倭に関する記述もあります。
ただし成立時期が時代的に離れているため、邪馬台国論争の史料として使えるかどうかの議論から必要になります。
目次
北史とは
北史は、本紀12巻・列伝88巻からなる、中国の南北朝時代の北朝側についての歴史書です。
卷94 列伝第82 四夷には中国周辺の国について記述されており、その中には倭に関する記述もあります。
史料データ
著者 | 李大師(編纂開始)、李延寿(完成) |
成立年 | 644年頃 |
李大師、李延寿はどちらも唐の歴史家です。
李大師は李延寿の父に当たります。
父の李大師は、編年体の南北朝通史の執筆を構想して編纂していたものの、完成できないまま628年に死去。
後を継いだ子の李延寿は、16年かけて(つまり644年頃)『南史』と『北史』を完成させたとされています。
『北史』が正史として認められたのは659年です。
信憑性
メリット
- 他の書物にない記述があり貴重。
- 起こった事象について重点的に記述している。
デメリット
- 詔令や上奏文といった正式・公式系の記述が少ない。
- 倭に関しては宋書・梁書に似ているが異なる記述もある。
北史は他の書物にない記述があり、貴重な史料として扱われます。
逆に『南史』と『北史』にしかない記述は、内容の信憑性に難があるとの見方もあります。
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