『山海經』は中国最古の地理書です。
古代中国の伝説的な話が多く盛り込まれており、信憑性に欠ける史料と言われています。
倭国・倭人についての最も古い史料として扱う媒体もありますが、内容を信頼できるかは賛否分かれます。
目次
山海經とは
山海經(せんがいきょう)とは中国最古の地理書です。
中国を中心とする各地域の地理・山脈・河川・産物・習俗などが記載されています。
中国をモデルとする山経(南山経・西山経・北山経・東山経・中山経)と、海外をモデルとした「海経」(海外経・海内経・大荒経)とに分かれています。
山海經には絵地図があったとされていますが、絵地図は早いうちに散佚しています。
史料データ
著者 | 不明(複数人が追記?) |
成立年 | 紀元前4~紀元前1世紀とされるが諸説アリ |
紀元前90年頃に成立したとされる『史記』に山海經の記載があるため、紀元前90年頃には既に成立していたようです。
ただし著者も成立年も不明であり、長い期間かけて多数の人物が追記していたとする説も存在します。
太史公曰
『史記』巻第123 大宛列傳第63
(…中略…)
山海經 所有怪物 余不敢言之也
信憑性
メリット
- 他史料に比べると具体的に内容が記載されている
デメリット
- 伝説的内容が多数記載されている
- そもそも史料の全容が不明
絵地図は早いうちに散佚しており、現在残されている画像は『山海経』本文から逆算した後世の想像図です。
さらに本文も一度散佚していて、後世に編集・再構成が施されているようで、史料によって巻数などの情報に差異があります1。
著者も成立年も不明、絵地図も本文も一度散佚し、内容も伝説的側面が目立つことから、信憑性には懐疑的な意見の方が多いようです。
山海經について
注釈・参考資料など
- 以下は一例。
『漢書』志第30 芸文志第10 術數略「山海經十三篇」
『隋書』巻第33 志第28 經籍2 史 地理紀「山海經二十三卷」 ↩︎
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